天子蒙塵 1

読 書
天子蒙塵

講談社文庫 浅田次郎 著

蒼穹の昴シリーズ五部の一巻目。

この小説のタイトルである「天子」といえば愛新覚羅 溥儀(あいしんかくら ふぎ)中国最後の皇帝ラストエンペラー。「蒙塵」を調べると、「天子が変事のために難を避けて、都から逃げ出すこと。みやこおち。」と出ていた。

溥儀は、2歳で第12代清朝皇帝(宣統帝)即位。1911年辛亥革命により清国は滅亡し6歳で退位する。その後も紫禁城に住み、1922年に正妻の婉容(えんよう)、側室の文繡(ぶんしゅう)と結婚する。

物語は、日本の新聞記者北村修治が、溥儀と離婚した側室の文繡に取材する形で進む。取材に同席するのは「蒼穹の昴」の主人公である年老いた春児(チュンル)。

結婚から離婚まで経緯に絡めながら、清国滅亡から溥儀が満洲国皇帝(康徳帝)に即位直前まで出来事が描かれていた。

2巻も購入してしまった。

この1巻も2巻も本屋では、薄いビニールに包まれていて立ち読みできないようになっていた。コミックではよく見掛けるが文庫では初めてで驚いた。