寒橋

読 書

文春文庫 沢木耕太郎 編 山本周五郎 著

寒橋山本周五郎短編集 沢木耕太郎さんが編集した文庫。

短編9編。婦道記と違い、武士や町人の男性主人公が多かった。文庫名の寒橋は夫に惚れ抜いた婦人の話たっだ。この短編よりも私は人情裏長屋が良かった。

武士の世界がいやになり、江戸の長屋に住む松村信兵衛は毎日仕事もしないで酔っ払っている。稼ぎは道場破りでこの金で長屋の連中の面倒もみていた。

ある日、生まれたばかりの子供抱えた武士が長屋に越してくる。そのあくる日に武士は信兵衛に子供残して姿をくらませてしまった。しかし、信兵衛はこの子ためにお酒も道場破りも辞めて、夜泣き蕎麦屋で稼ぎながら育てる。一年後に姿をくらませていた武士が仕官できたと言って子供を取り返しに来る。

さぁ信兵衛はどうするかな。