双葉文庫 千野隆司 著
3巻で約1800ページの阿片戦争を読み切った後は、ちょっと軽めと思い「おれは一万石」を買ってみた。現在シリーズは17巻らしい。どこまで読むか・・とりあえず読むことにする。
主人公は、実在した下総国高岡藩藩主「井上(竹腰)正紀」
正紀は、尾張藩の附家老家である美濃国今尾藩主竹腰勝紀の次男として生まれる。竹腰勝紀と高岡藩6代藩主・井上正国は共に徳川宗勝の実子であり、正国と正紀とは血縁上は叔父と甥の関係である。正国の養子となり、その娘と結婚した。
物語は正紀17歳。将軍徳川家治の時代に江戸城で将軍を前にした上覧試合に参加する。しかし、残念ながら決勝戦で常陸下妻藩一万石長男15歳の井上正広に敗れる。
この試合を見ていた高岡藩藩主の井上正国から正紀を婿にと話が舞い込んだ。そんなことで叔父でもある正国へ挨拶に行くことになる。
高岡藩江戸屋敷の門前で、高岡藩の名主百姓の息子である申彦と出会う。申彦は利根川の堤防工事の嘆願に来ていたが門番に取り次いでもらえなかった。
17歳の正紀は、申彦の言い分を聞き、まだ婿入りも決まっていないのに、この堤防工事に力を貸すことにする。
いきなり文庫や書き下ろし時代小説お決まりの剣は凄腕で出目も良く、正義感モリモリの主人公が活躍する。
今作品も幼さが残る正紀が色々な困難を乗り切りながら成長する姿が描かれていて、気楽に読める作品となっている。
一日で一巻を読み切れるので当分この作品を追いかけることにする。