講談社文庫 陳 舜臣 著
1832年中国清 八代皇帝道光帝の時代。福建省厦門(アモイ)の成り上がり商人「蓮維材」の登場から物語は始まる。
鎖国状態の清は1757年以来広東港でのみヨーロッパ諸国と交易を行なっていた。それも中国政府が指定した「公行」という商人としか取引ができなかった。
アヘンの輸入を禁止していた中国だったが、イギリスは公行への賄賂や癒着で莫大な利益が得られるアヘンを大量密売する。そのため中国国内に中毒者が増えてしまった。
蓮維材は、アヘンにより中国内は乱れ、特定の商人は個人利益を追求、役人は賄賂で左右される腐敗したこの時代を変えなくては思って行動する。
そんな時に蓮維材は、後にアヘン密輸取り締まりを断行したアヘン戦争の原因と言われる林則除(りん そくじょ)出会い人柄に打たれて今後どんな援助でもすると約束する。
小説ながら時代背景や史実を忠実に表現されるため、難しい漢字に漢語が多く、登場人物も中国名なので読みにくかった。
上巻は、林則除がアヘン取り締まりを断行する広東省へ赴任する直前で終わった。次巻も読むか。