黒書院の六兵衛 (上・下)

読 書

還暦418日目。

文春文庫 浅田次郎 著

黒書院の六兵衛黒書院とは、江戸城内にある将軍の日常実務を行う部屋?もちろん白書院もあるようでここは将軍が公式な応接の部屋らしい?

鳥羽・伏見の戦いに敗れた将軍徳川慶喜は上野の寛永寺に謹慎。勝海舟と西郷隆盛の会談で江戸城無血開城に決定した。開城直前、朝廷側についた尾張徳川藩の江戸詰加倉井隼人は、江戸城開け渡しの確認に江戸城へ入る。

江戸城で勝海舟に会ったところ御書院番士の的矢六兵衛が江戸城表御殿に居座っていることを聞き、武力での排除は厳禁で追い払うよう勝海舟から指示されて的矢六兵衛の説得に力を注ぐ。

浅田次郎先生お得意の的矢六兵衛の身辺調査取材風に物語は進む。色々調べると江戸城にいる的矢六兵衛はお金で旗本株を買い、屋敷・下僕・下女に本物の両親まですべて残して自分の家族だけが入れ替わっていたと判明する。

この正体不明の武士は、太平の世になれた旗本ではなく、武士の中の武士!教科書出てくる旗本の見本みたいな振る舞いをするので加倉隼人も六兵衛に気持ちが傾いていく。

最後は本を読んでください。感動のラストは涙・・・涙ですは。