繰綿の幻 おれは一万石 11

読 書
繰綿の幻

双葉文庫 千野隆司 著

正紀の婿入りから国元の一揆や高岡河岸の運営に親戚筋の府中藩の世子問題も解決しシリーズ10巻目で一区切り着いた。

新たなシリーズは、高岡藩江戸勘定頭の井尻又十郎が高岡河岸の拡張費用を稼ごうとして、藩の公金で繰棉(木綿から種を取っただけの原料)相場に注ぎ込んでしまう。

もちろん相場となれば過去のシリーズで登場した丸眼鏡を掛けた脇両替商熊井屋の跡取り息子「房太郎」が登場する。

繰棉問屋の勧めで繰棉のペーパー取引をした井尻は、相場が思惑と違って損失の方向へ進んでしまう。しかし、これは繰棉問屋が商品を隠しての相場操作であった。

正紀は、この相場捜査のカラクリを解決できるのであろうか。